HE★VENLY PARADE / HE★VENS - 彼らと目があうとき
HE★VENSは君臨する挑戦者だ。
その圧倒的なパフォーマンスでいつだって背中を押してもらえる。
ファンである、エンジェルへ歌を向けるときだって、7人で作り上げられた1つの世界観を提供することに重きを置いている。
HE★VENLY PARADE
2016年に発売されたシングル「不滅のインフェルノ」のカップリングとして収録されたこの曲は、音のつくりから1度聞くだけで"お手振り曲"だ。と理解る(わかる)。
メインステージで踊るのでもなく、フライングでも、演奏でもなく、
トロッコに乗ってアリーナをぐるりと周りエンジェルの笑顔を間近で見るための曲。来てくれてありがとう、と手を振るための曲。
曲を聞いただけで浮かぶその画を、プリライ6thで彼らの声を持つ人たちがまったく同じ演出でパフォーマンスしていたのだから驚いた。
わたしは王国魂落ちの新規なため想像でしかないが、うたプリアワード後の失踪以降、HE★VENSを応援していたエンジェルたちに取り巻く不安と暗い影は想像を絶するものだっただろう。
やっとの思いで出場したSSS決勝でも、不滅のインフェルノという曲のお披露目と、彼らそのものというパフォーマンスを行っても勝利することは叶わなかった。エンジェルの脳裏に解散、失踪の文字が浮かばない訳がない。
そんな思いを吹き飛ばすようにST☆RISHが用意してくれた場所がアンコールのマジLOVEレジェンドスターなら、
HE★VENSたちが直接涙を拭ってくれるのがHE★VENLY PARADEだ。
彼らの音楽が聞けるのが、CDを買うのが、これが最後かもしれないと祈るように再生するエンジェルの耳元に聞こえるのは「踊ろう!怖がらず この目だけ見て?」という言葉。
先日発売されたGenesis HE★VENSの歌詞や王国魂愛を捧げよ前の鳳瑛一のMCにあるように、HE★VENSの在り方は強く、深い、愛でエンジェルを染め上げ、エンジェルにHE★VENSへの愛を捧げるよう誓わせる。互いに愛し合う互助組織だということが理解できる場は今でこそ多い。
しかし、そのことが、エンジェルでない大衆にまで伝播していない頃、彼らのCDを手に取った人間だけが受け取れるラブレター。
レイジング鳳への決別と自分たちの決意の曲*1の対となる位置にエンジェルに真っ正面から向き合う、ハッピーな曲を添えること。
それはどこかのエンジェルにとって確かな救いになっただろう。
お手振り曲は、アンコールと同様アイドル"が"ファンの存在を直に体感出来る貴重な場だ。ファンは、コンサートでもテレビでもラジオでもブログでも、アイドルの存在を感じられるが、アイドルがファンの"存在"を感じることができるのはコンサート程度だ。CDの売り上げも、視聴率も体感ではない。
魂を込めたパフォーマンスへ向けた歓声を身体いっぱいに浴びて、ファンと目を合わせ、コミュニケーションをとる時間。
それは、ファンだけでなくアイドルがアイドルでいるためにも必要なことなんじゃないかと考えるようになった。
今は流行病のおかげでなかなか叶うことがないが、それぞれの毎日繰り返す日常の中に、ひとつ同じ思い出ができる。別々の道が交わるコンサートという瞬間。彼らに笑顔で手を振りたい。
彼らの溢れる愛に素直に応えられる自分でいたいと、HE★VENLY PARADEと出会うたびに思う。
*1:FREECELL/上松氏インタビューより